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〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町10-12 第二野元ビル2階

治療方針

突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)

1.どんな病気?


 いままで全く健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に通常一側の耳が聞こえなくなり、耳鳴りやめまいを伴うこともある病気を突発性難聴といいます。1973年に定められた突発性難聴の診断基準(要約)は以下の通りです。

突発性難聴の診断基準(要約)
・ 主症状 1.突然の難聴 2.高度な感音難聴 3.原因が不明
・ 副症状 1.耳鳴り 2.めまい
 男女の差はなく、40〜50才台に発症する頻度は高いのですが発症年齢の幅が広がっており、突発性難聴は20〜50才台の人の病気であるといえます。睡眠不足や疲労の蓄積、心身のストレスが重なっている状況での発症も多いのですが、自分では思い当たることがないという方もいます。
 
 感音性難聴の一種と考えられていますが、現在のところ原因は不明です。耳垢(あか)が詰まって聞こえが悪いとか、中耳炎が原因の難聴は伝音難聴と言います。感音難聴は内耳から脳までの音を伝える神経の道筋のどこかに障害があって起こる難聴です。感音難聴か伝音難聴かは聴力検査をすればわかります。   耳以外の神経症状(四肢の麻痺など)は見られません。現在のところ遺伝の要素はないとされています。発症の原因は推測に過ぎませんが、有力なものはウィルス感染説、内耳の血液循環障害説、アレルギー説などです。

 ※ 聴神経腫瘍の1割くらいは突発性の感音難聴で発症するとされているので、突発
性難聴と診断されていても、あとになってMRI検査などで聴神経腫瘍がみつかる
ことや、同じ症状を繰り返す場合にはメニエール病(めまいを伴わない蝸牛型メニエール)であるという診断に変更される場合もあります。

2. 症状について

 
 典型的な症状は、ある日突然、片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴り、激しいめまいがすることもあります。めまいは2、3日で消えてしまいますが、難聴と耳鳴りが続きます。
 
 発症した方の多くがそれ以前に耳の病気を経験した事のない健康体であるため、発症時は難聴であると気付かないことがあります。以下によくある訴えを書きますので参考にしてください。

* 「耳がふさがっている、詰まった感じ(耳閉感)」
* 「耳に水が入ったような感じが取れない」
* 音が「異常に響く」「割れる」「二重に聞こえる」「音程が狂う」
* 自分の話す声が変に聞こえる
* 耳鳴りがする
* めまいとそれに伴う吐き気
* ふらつく感じがする
* 何となく耳が変だ
* 耳垢(あか)でも詰まっているのではないかと思った

いつ、どのようにして症状に気づきましたか?

* 電話をかけているとき
* 朝、起きたときに片方の耳が聞こえない
* ヘッドフォンで音楽を聞いて片方の耳が聞こえていない
* よく注意してみると耳鳴りのしている方の耳が聞こえも悪い
* 片方の耳だけの難聴で、もう一方の耳の聞こえはよいので、気づかずに何日か経ってしまった。(なかなか気づかなかった)

3.病院でのおもな治療


 適切な早期治療と安静が極めて重要です。症状を自覚した場合は手遅れにならないように速やかに大学病院などで耳鼻咽喉科の専門医の診断を受けてください。

 聴力回復が期待できるのは発症後約一ヶ月以内で、それ以後は回復が望めない場合が多いので、できるだけ早期に治療を開始することが望まれます。

 治療の段階としては、高度難聴の場合は、入院治療。軽症から中等度の場合は外来通院しながら、薬物治療で治します。薬物治療はステロイドホルモン剤とビタミン剤を内服し、聴力の改善状況を検査しながら、ステロイド剤は徐々に減量していきます。
 
 病院の治療で最も有効なのはステロイド薬
突発性難聴はいろいろな原因が考えられているため、血液の循環を良くし、炎症を抑え、弱っている神経の機能を改善するといった目的で治療がおこなわれます。最も治療効果が明確に認められているのはステロイド薬の内服や点滴です。ビタミン剤、代謝賦活剤、血液循環改善剤、血管拡張剤、利尿剤、抗ウィルス剤などの薬もあわせて使われることもあります。その他にも高気圧酸素療法、星状神経節ブロックなどの治療法も試みられていますが、今のところ有効性が確実に認められているのはステロイドだけです。

4.当院での鍼灸治療


 @鍼灸治療の開始時期について
 
 早い方で発症後3日以内に鍼灸治療を開始されますが、発症して一ヶ月以上経過後、あるいは再発後に初めて鍼灸治療を希望するという場合もあります。本来、早期治療の重要性は鍼灸治療においても同様ですが、患者さんが鍼灸治療の有効性を後から情報として知り、受診を決断するまでにしばらく時間がかかったり、入院されていて鍼灸治療の開始が遅れたりすることはしばしばあります。
 
ステロイドの投薬が終了して数週間から2ヶ月程度経過して鍼灸治療を開始しても、聴力の回復や自覚症状(耳閉感・耳鳴り)の改善がみられる場合もありますから、鍼灸治療を試してみる価値は十分にあると言えます。
 
 ただし、肩こりや腰痛の治療とはまったく別と考えるべきで、いま仕事が忙しいから治療を後回しにするということは得策ではありません。聴力検査を受けながら数ヶ月間は根気よく治療を継続することが大切です。突然発症することから精神的なショックを伴う病気ですが、治療する側としても患者様が賢明な判断をされることを期待しております。当院では最初のうち、週2、3回の治療を行ない、聴力検査の結果をみながら間隔をあけていくという方法をとっております。

 A鍼灸治療の理論
 
 西洋医学的に原因不明とされている突発性難聴に対して、日本の鍼灸治療はおおむね側頚部の胸鎖乳突筋と耳介(みみたぶ)の後ろの皮膚表面から深いところにある椎骨動脈に着目した治療が主体となっていますが、全国標準のような統一された鍼灸治療法があるわけではありません。使用されている鍼の材質や太さ・長さ、灸治療や低周波治療、吸玉治療などとの併用もしばしば回復の早さに影響しますが、手技療法という性質上、その選択は個々の鍼灸師の判断にゆだねられています。
 
 当院ではこの疾患に関して、早めに強い刺激を与えることを重要視して、例外的に1回目の治療でも少しずつ刺激を強くするようにしています。

また、突発性難聴の方を鍼灸師の目から診ると、いくつかの特徴があげられます。

 * 聞こえない側のくびや肩に強い凝りがあり、場合によっては上半身の筋肉全体が片側だけひどく緊張している。
* 肩から背中、肩甲骨の内側に東洋医学で言う?血(おけつ)斑があり、血行障害の兆候がみられる。
* もともと自分の筋肉の凝りや痛み、疲労感には鈍感で、凝っていてもケアせずにそのまま生活している。体調管理は特に何もしていない。あるいは、最近はしていなかった。
* 皮膚のすぐ下、浅い部分の筋肉に関しては凝りもなく、左右ともに正常のように見えるが、鍼を刺してみると、くび、耳周囲の深い部分の筋肉(インナーマッスル)に強い凝りがある。
 特に、インナーマッスルの硬さについてはほぼ共通しています。当院では、この深い部分の凝りが内耳の循環障害に影響していると考えて治療を行い、比較的高い効果を得られています。

 また、心身のストレスにより免疫低下が起きているという考えに立ち、必要と判断されれば治療開始から数回は腰や背中のツボを使った治療を行ないます。

 ※ 鍼治療の道具には材質や太さ・長さを含めさまざまなものがあり、鍼に敏感な方には通常ステンレス製の鍼を使用するところを銀鍼などに変えて治療しています。

5.後遺症と予後(完治の可能性など)について


 @後遺症について

 耳鼻科で治療した後、聴力検査ではかなり回復しても、
 
 1 しばらく音を聞いていると疲れる。
 2 自分の声がこもって聞こえる。(自声強聴・耳閉感)
 3 外界の音が普段どおりに聞こえない。
 4 耳鳴り   
 5 めまい
 
特に高音域が元に戻らない場合に起こりやすい後遺症に上記の5つがあります。

 突発性難聴は治ってきても、数カ月は音に対する感受性が高くなります。しばらく音が歪んで聞こえる状態(聴覚過敏症)が続くことがあり、この聞こえ方は聴力が自覚的に治っている場合、検査結果として治っている場合のいずれのケースでも続くことがあります。しだいに慣れる、もしくは消えることもありますが、数カ月かかることもあります。焦らないことが大切です。
 
 頭痛や耳鳴りが起こったら、しばらく自然音を聞いて耳の疲労を取るという方法もあります。 後遺症としては軽い耳鳴りが一番残りやすい症状です。

 A完治の可能性について
 
 病院での治療の場合、発症後遅くても2週間以内、出来れば1週間以内に治療を始めるのが望ましく、1ヶ月を過ぎると改善の見込みはほとんど無くなります。耳鼻科で適切な治療を行っても完治する方はおよそ三分の一、更に三分の一は改善するものの難聴・耳鳴りなどの後遺症が残り、残りの三分の一の方は改善しません。特に高音部の難聴は治癒しにくいと言われています。発症時に聴力が完全に無くなってしまった方やめまいを伴う高度難聴の方は治療成績が良くありません。軽度の難聴だから治りやすいと考えていた方の中にも難聴が残るか、あるいは難聴は改善しても耳鳴りが残ることもあり治療の有効性は不安定です。
 
 理想としては、鍼灸治療も病院での投薬と同時進行が望ましいですが、通院の負担も増すことからできない場合もあります。鍼灸治療にはもともと投薬終了後に来院される患者さんが多く、そのような時期からの治療でも効果は十分に期待できます。
 
 【症例  25歳 女性】  
 平成15年に低音域の突発性難聴を発症。平成16年、19年と再発しメニエール病とも診断される。聴力が低下するたび入院治療や通院で投薬を受けていたが、平成20年8月末に高音域でも難聴が起こり、1週間の入院治療後、9月初旬に退院した翌日、当院に来院。耳閉感は入院中になくなったものの、強い耳鳴りと聴力の低下が残っている。鍼灸治療を開始して12日目、4回目の治療終了後に聴力検査で6分法平均値が42.5dBから30.8dBまで回復。9月中に合計7回治療を受ける。10月も治療を継続し、低音域の数値が少し回復(高音域は変化なし)。イソバイドの副作用で肌荒れがひどくなり、薬の変更のため病院へ。11月に入った頃、高音域の検査結果は基準値内にならないものの、自覚的に左右の音程が同じになったと感じる。9月頃は自分の後ろで電話が鳴ると聞こえにくいと感じたが今は聞こえるという。11月末まで通院して治療終了。

関鍼灸院

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