過敏性腸症候群

1.どんな病気?

過敏性腸症候群(Irritablebowelsyndrome :IBS)は、大腸および小腸に潰瘍や腫瘍などの異常がないにもかかわらず、下痢あるいは便秘などの便通異常と腹痛、腹部膨満感などの症状が出る病気です。

日本人の中で過敏性腸症候群(以下、IBS)を持っている割合は10~20%と報告されています。社会の複雑化、ストレスの増加に伴い、その症状で悩む人が多くなり注目されています。
男性は下痢型が多く、女性は便秘型、あるいは下痢と便秘を繰り返す混合型が多く、発症時には何らかのストレスが関わっていることが多いと言われています。

IBSの発病あるいは症状が悪化する原因としては身体的、精神的ストレスが大きく関与しています。生まれつきの性格あるいは育った環境などにより病気のもとが形成され、腸が敏感になります。そこに身体的、精神的ストレスが加わり、腸の機能異常が発生します。

腸が痙攣して過剰に収縮したり、緩むことができなくなり、運動の異常が生じます。また、脳および腸の感覚が敏感となり、感覚の異常が発生します。運動の異常と感覚の異常からIBSの症状が出ると考えられています。

2.当院での圧力波による治療が著効

圧力波はIBSに対して、患者さんが驚くほどの効果があります。病院で処方されている薬がだんだん効かなくなって困っていた患者さんにとって圧力波で症状がコントロールできることは仕事や日常生活で大変助かるようです。
患者さんからは大袈裟ではなく、人生が変わった感じですと言われたこともあります。

3.当院での治療の進め方

患者さんの症状のタイプ、腹痛の強さ、痛みの位置などを詳しく伺って、1回目の治療は弱い出力から開始して1〜2週間程度の効果の持続を確認します。1回目の治療が強すぎると、特に下痢型の場合には一時的に下痢が激しくなることがあり、弱い出力から開始することが大切です。

治療効果は腹痛が徐々に減ること、普通便が出る日が多くなることで簡単に判断できます。順調に圧力波の出力と照射時間を調節していくと、3回目には3週間程度の効果の持続が期待できます。

つまり、長期間の治療ではなく、たった3回程度の治療で軌道に乗せることが可能なのです。
尚、圧力波は比較的新しい医療機器なので、どのような作用機序で腹痛や下痢が止まるのかは、まだ解明されていません。今後の研究が期待されます。

4.経過はどのようになりますか?

IBSの症状を完治させることは今のところ難しいのですが、定期的な圧力波治療により、症状をコントロールすること、薬を減らすことが可能です。順調に3ヶ月以上経過した場合には、1ヶ月から6週間程度に治療間隔を広げて、寛解を目指す場合もあります。

※抗がん剤治療中の下痢についても、特に減薬中の場合には効果が期待できます。
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