気管支喘息

1.どんな病気?

気管支喘息は空気の通り道である気管支がアレルギーなどで炎症を起こし過敏になり、何かの刺激で腫れたり痰がでたりして狭くなり呼吸が苦しくなる慢性の病気です。「ゼンソク」というと「小児喘息」、「アレルギー」と思い浮かべる方も多いと思いますが最近は成人にも少なくなく必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるとは限りません。

気管支喘息は常に症状があるわけではなく、時間や体調、ストレスなどで強い発作が出たり症状がなかったりします。またダニの除去といった生活環境、習慣を改善する事で症状を軽くすることもでき、自己管理が重要な病気です。

多くの喘息患者さんは普段は何の症状もなく暮らしていますが何かのきっかけで急に息苦しくなり「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」といった音(喘鳴)がでる発作をおこします。また慢性的な咳、痰だけの人もいます。発作には自分でもわからないような軽いものから死に至るような重症なものもあり、大きな発作を起こしたことがある人は注意が必要です。夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴です。薬による治療は発作の予防薬として吸入ステロイド薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬が、発作改善薬として吸入ベータ刺激薬が使われます。
(参考資料:西新潟中央病院呼吸器センターQ&A)

2.当院の治療法

中医学的には下記のように分類されます。

1.普段から痰飲があるものが風寒におかされて肺の宣降が失調したもの(寒痰)
2.脾の運化機能が失調し、水液の排泄が阻害されたもの(湿痰)
3.肺・肋膜の炎症により気道の炎症性分泌が増したもの(熱痰)
4.その他、腎不納気や肝気欝結によるもの


大きな発作の場合は当然、西洋医学的な治療が最優先されますが、軽い発作に対する治療および発作間歇期のケアとして鍼灸治療は高い効果があり、中医学的な見地だけでなく発作によって消耗した呼吸に関わる筋肉・経筋システムに注目して治療することにより、治療開始直後から安定した効果がえられます。

発作を繰り返せば胸の周囲の筋肉が疲労し、消耗することは理解しやすいと思います。

気管支喘息は中医学と経筋学の融合がもっとも実を結ぶ疾患の一つです。鍼灸治療が奏功すれば発作の頻度を少なく、程度を軽くすることができ、薬の量を抑えられます。

また、喘息の患者さんには、お灸による治療が特に有効であることは広く知られています。喘息の症状は体調やストレスの度合いに左右されますから、体調を整えながら発作に対応する治療をすることが大切です。

当院では中医学的にツボを選んで治療することに加えて、呼吸筋・呼吸補助筋の状態をよくすること、手太陰経筋・手少陰経筋の状態を改善するように処置することを重要視しています。