骨折
後遺症が心配な骨折は鍼灸治療でリハビリ期間を短縮しましょう
1.どんな病気?
骨折を起こしたら
骨折を起こすとその骨折面より出血が起こります。出血した血液は徐々に固まり繊維化していきます。この繊維化している部分に仮骨(かこつ)が形成されてきます。仮骨とは骨折部が治るまでの仮補修みたいなものです。この仮骨の形成が完成するまでは非常に脆い状態なので副木(ふくぼく、そえぎ)や副子(ふくし)といった支えをあてて包帯固定を施行するかもしくはギプス固定をしなければなりません。
骨折の固定
骨折の固定期間は、骨折部位や骨折の程度などにより変わりますが、平均して上肢(手指や腕など)で4週から6週、下肢(足や脚部など)で6週から10週ほどです。
病院では固定期間が経過し仮骨形成が完成されてきたら固定を除去し物理療法(温熱療法、マッサージなど)を併用しながら徐々に回復訓練(リハビリ)を行います。
鍼灸治療を行うのも固定除去後のこの時期
仮骨形成が完成するとしばらくの間は骨折部分に骨のこぶができたようにふくらんでいます。このこぶ状の仮骨は数ヶ月(年齢や部位により数年)かけて吸収されながら本来の骨に置き換えられていき正常な骨に戻ります。しかし、開放骨折など、難治性の場合は思うように仮骨の吸収が進まずリハビリ期間が長くなり、後遺症も心配になります。
骨折後、固定期間が終わりに近づいたら、腫れや痛み・仮骨のふくらみを少しでも早く取り除くために鍼灸治療をお勧めいたします。
骨折の場合は早いタイミングでの鍼灸治療の併用がリハビリ期間を大幅に短縮し、後遺症の程度を軽くすることになります。
私は病院でのリハビリにも通うという条件で骨折後の鍼灸治療を行っております。最初の2週間くらいは患者さんも通院が大変ですが腫れがひけば治療の間隔も空けられます。骨折後の鍼灸治療は治療開始から2週間は週3日、その後は回復の具合をみてだんだん治療間隔をあけていきます。
2.当院の治療法
鍼灸治療の本場、中国では基本的に骨折の鍼治療は行っていないようです。後遺症が残った場合に行うようですが、それではタイミングが遅いでしょう。
日本には接骨院という固有の骨折後の治療・リハビリ施設があり、骨折に対する鍼治療のデータも膨大に蓄積されています。